ホーム 教育理念 カリキュラム 歴史 インフォメーション スタッフ紹介 リンク
版画研究室ホーム > カリキュラム > 銅版画 > 制作行程
銅版画制作行程

銅版画の製版

下絵を用意します。

下絵の転写 

下絵にマットフィルムをあて、アウトラインを濃い目の鉛筆(HB以上)で描画します。

裏面の防触

銅板の裏面に塩化ビニールの壁紙を貼り、防触します。

表面の研磨

表面はサンドペーパー(#2000)などで研ぎ、ピカールなどの研磨剤を布につけて磨きます。

版の洗浄

溶剤・リグロインで洗浄します。

防触

ハードグランドを表面に流し引きします。グランドが乾燥するのを待って、温めて定着を促します。

転写

版が冷えたら、マットフィルムの表面を湿し、版面に当てます。プレス機を通し、マットフィルムの鉛筆の粉をグランド上に写します。

描画

よく研げたニードルで描画します。描画は、版面に届くように、しっかりとグランドを掻き取ります。

腐蝕

腐蝕液につけて、腐蝕します。

硝酸の場合は、夏場はある程度の深さになるのに、30分程度かかります。弱い線の場合、15分程度の腐蝕にします。硝酸は化学変化で腐蝕が行われますので、気温(液温)により腐蝕の早さがかわります。

塩化第二鉄液の場合は、40分〜60分程度かかります。弱い線は20分〜30分程度腐蝕します。

試し刷り

紙を湿して準備をしておきます。

ハードグランドを溶剤で洗います。溶剤は、はじめにプリントクリーナーで粗拭きし、つぎにリグロインで綺麗に洗います。

版をウォーマーにのせ、温めながら版の凹部に、ローラーでインクを詰めます。

寒冷紗(モスリン)で、凸部のインクを掻き取るように粗拭きします。

人絹で、さらに凸部のインクをとります。

最後に紙で仕上げの拭きをします。

エッチングプレス機のベットの上に、インクを詰め終わった版をおき、上に湿った紙をおき、プレス機を通します。

アクワチント

リグロインで版の油分を拭き取り、マジックリンか苛性ソーダで脱脂します。水洗します。醤油で脱錆します。水洗します。水分をよく拭き取り乾燥し、描画をします。製版したくない部分に黒ニスを塗ります。

描画が終わったら、松脂の粉末を布に包み、版の上で振って散布します。版を熱し松脂を溶かし版に定着します。

1〜2分腐蝕し、黒ニスで淡い調子のところをとめます。

再度、先ほどと同じ時間腐蝕し、濃い調子を作ります。

防蝕剤の洗浄します。リグロインで黒ニスを洗います。次にアルコールで松脂を洗います。

試し刷り。

加筆・修正

刷り上がったものを見て、加筆、修正をします。ドライポイントなどの直接技法で加筆してもよいでしょう。直接技法での加筆は全ての腐蝕を終えてから行います。

腐蝕が深すぎたところはスクレパーで削り取り、バニッシャーで版面をならします。アクアチントが濃すぎた部分はサンドペーパーなどで削り、調子をととのえます。

本刷り

プレートマーク

版の角をヤスリで斜めに落とします。

本刷り用の紙を十分に湿らせておきます。

詩刷りと同じ要領でインクをつめ、刷ります。

刷り上がったものが湿っているうちに、水張りテープで平らな板に水張りします。このとき四辺がしっかりと定着するように気をつけましょう。

しっかりと乾燥したら板から作品を外し、余分な水張りテープをそぎ落とします。

エディション、題名、サインを鉛筆で記入します。