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ソフトグランドエッチング(soft ground etching)
それにたいしソフトグランドは、ハードグランドに獣脂を混入し溶剤が揮発した後も適度な可塑性を持つグランドです。 獣脂には、牛脂(ヘット)・羊脂(ラノリン)がよく使われますが,手に入らない場合豚の脂(ラード)や馬油、さらには植物油のサラダ油やリンシードオイルでも使えます。 液体のソフトグランドは、液体ハードグランドに適量の獣脂をあらかじめテレピンやベンジン(リグロイン)で溶かしておき混入します。一度に混入せず,少しずつ混入しテストを繰り返して適量とします。 テストはソフトグランドを版面に流し引き、指を当て押したときに滑るようでは獣脂が多過ぎ,跡がつかないようでは少な過ぎます。指が吸い付くように止まり,十分に跡がつけば適量となります。 固形のソフトグランドは、ハードグランドを自製する時に全ての材料を煮て完成した後で,火を止めてしばらく待ち暖かいうちに獣脂を混入します。卵の殻の薄皮を取り流し込むか、温水に静かに流し込み余熱を取りながら丸めて球体にしておきます。絹の平織りで包みます。 液体ソフトグランドはハードグランドと同様に流し引いて用いますが、ハードグランドよりも薄くした方が腐蝕がスムーズに進みます。 固形のソフトグランドは、版をグランドが融ける温度まで温め、絹で包んだグランドを版面に押し当てて適量融かします。ゴムローラーを転がし全面に広げてゆきますが,ローラーが冷えているあいだはローラーの方にグランドが付着し、ローラーが暖まってくると版の方に付くようになります。グランドを厚く引く場合は版を冷ましながら転がすとローラーから版にグランドが移ってゆきます。 描画は、表面がざらざらの紙や硬くて薄い布などを版面に当て、硬い鉛筆などで描画します。圧がかかった部分のグランドが紙や布の方へ移り版面から剥がれます。その時に紙や布の目の通りに取れるため、腐蝕すると鉛筆やコンテで描画したような効果が得られます。 表面に凹凸のあるものを押し当てると,そのテクスチュア通りにグランドが剥がれ,腐蝕することができます。
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