画家・山本雄三(1964- )と、写真家・伊島薫(1954- )の2人が中国・上海を訪問し、
作品制作を試みる過程をドキュメントとして紹介するアート・プロジェクトです。
2014年8月3日―2015年3月末日 主催=女子美術大学
協力=AI KOWADA GALLERY、上海交通大学、新華社通信
「上海Love Story」は、本学が大森の個展に続き
今年2014年に上海をテーマに行う展覧会プロジェクトです。
参加作家は、画家で本学短期大学部准教授の山本雄三(1964- )。
山本が訪ねるのは上海市に住む一組の家族。その王(ワン)家は、
大学に勤める画家の夫と妻、そして幼い子供の3人構成です。
「上海Love Story」では、東京都内で妻と保育園児の長女と暮らす山本が、
彼の家族と似た王家の人々と交わりながら肖像を描き、
そのスケッチをもとに帰国後に彼が独立美術協会出品作を
描き上げるまでを追います。
「上海Love Story」の派遣教員に選ばれてしまった山本雄三。
「使い慣れた道具ではなく、上海に身体一つで行って画材や道具を探して
制作をしてきなさい」という大学からの業務命令に
戸惑いつつも渡航を承諾した彼がテーマに選んだのは「家族」。
本ホームページでは、彼が大学に上海で暮らす自分と似た家族の選定を依頼し、
その家族の家を訪問し、帰国後に作品を完成させて独立美術協会に
出品するまでをドキュメントします。
山本が上海の画家、王(ワン)氏の家族に見出したのは日本と変わらない家族愛。
そこに山本の人間臭いヒューマンな人柄が加わって
ハイブリッドな「3人家族」の肖像が完成します。
山本が基本とするのは、モデルやモチーフを見て描く写生。
絵画の基本ともいうべきその制作方法のモチベーションが
対象への愛に支えられていることや、
一方で山本の中でその写生が昇華されて初めて表現になることを、
私たちはドキュメントを通して知ることになります。
女子美術大学では、国際交流事業の一環として、
2012年12月に中国・上海Joshibi Art Galleryを設立し、
様々な文化交流事業を進めて参りました。
本施設の運営が落ち着いた2013年夏には、
上海をテーマに本学洋画コース准教授で
現代作家の大森悟(1969- )の個展を開催。
大森が中国と日本をつなぐ東海(東シナ海)を取材して
構想した光の海のインスタレーションが、
人間の視覚の本質を問う斬新な表現として
大きな反響を呼びました。