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石版石

リトグラフに使う石版石は炭酸カルシウムを主成分(98%)とする天然の石灰石で、表面に無数の小さな孔のある多孔質な石です。

この平滑に磨ぎあげられた石面に脂肪性の解墨やクレヨンで描画し、次に硝酸ゴム(アラビアゴムと硝酸の混合液)を塗ります。解墨とクレヨンの脂肪は硝酸により分解して、脂肪酸を遊離します。この脂肪酸と石の炭酸カルシウムが化合して、脂肪酸カルシウム(グリース)となって石面に吸着し、水分を反発してインクを引きつけます。描画以外の部分は、石版石と硝酸ゴムが作用して、保水性を持った酸化カルシウムとなります。

こうして石版の表面に水をはじく部分と水を保つ部分が化学的に構成されます。石版の上を、水を含んだスポンジで拭くと描画部分は水を反発して、余白の部分は水が保たれます。油性のインクを巻きつけたローラーを転がすと、水のある部分は反発によってインクがつかず、描画部分にだけインクが付着します。この版の上に紙をのせ、プレス機で圧力を加えると絵が刷り上がります。






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