女子美術大学美術館

2021年度

河鍋楠美氏寄贈作品特別公開 暁翠先生と女子美術学校

展覧会情報
  • [期  間] 2021年11月22日(月)〜12月10(金)
  • [主  催] 女子美術大学、女子美術大学美術館
    [特別協力] 公益財団法人 河鍋暁斎記念美術館


河鍋暁翠(1868-1935)は、河鍋暁斎(1831-1889)の娘であり、明治期から昭和初期に活躍した女性画家です。本名は「豊(とよ)」。幼少期より父暁斎から《柿に鳩の図》を与えられて絵の手ほどきをうけ、17歳の時には第二回内国絵画共進会に出品し新聞評で注目されるなど、暁斎の生前から活躍し始めていました。暁斎没後は暁斎未完の版画シリーズや作品を完成させると共に、「暁翠」の画号で、第3回国内国勧業博覧会へ出品し褒状を受賞するなど数多くの優れた作品を生み出しました。1902(明治35)年から3年ほど、開校間もない女子美術学校(現 女子美術大学)の日本画の教授として後進の指導にあたり、「暁翠先生」と慕われていました。それはまた女性初の日本画教授でもありました。しかしながら、暁翠が女子美術学校で教鞭をとっていたことは長らく明らかになっていませんでした。1908(明治41)年、女子美術学校・弓町校舎が火災に見舞われ、多くの資料が消失。そのことが暁翠が女子美の教育者であったという特筆すべき事実が記録として伝わらなかった一因といえるでしょう。河鍋家には女子美で過ごした暁翠の写真資料が数多く残されており、それらは暁翠の女子美での尽力を確固たるものにするだけでなく、教育者であった暁翠像をも浮かび上がらせます。本展は河鍋暁斎の曾孫で暁翠の孫にあたる河鍋楠美氏(公益財団法人河鍋暁斎記念美術館館長)よりご寄贈いただいた暁翠作品5点とともに、河鍋家ゆかりの貴重な女子美術学校時代の暁翠の写真資料を特別公開します。また、暁翠代表作《百福図》、そして暁翠が生涯大切にしていた《柿に鳩の図》の展示を通して、河鍋暁翠の画業と女子美術学校における教育者としての功績を中心に紹介するものです。