千代田区九段会館 •昭和の東京史(男性・75歳) 
教育に初めて英語が取り入れられたのを始めとして軍国主 義だった教育から民主主義へと変化した。その頃の先生は 復員帰りの人達に任されていた。黒く墨で塗られた教科書を前に、教 える方も身が入らず、生徒の私たちも勉強よりも空腹をえる毎日だっ た。友人のほとんどがバラックと呼ばれるトタン屋根の家で耐えなが 生活していた。食料といえば、米軍の払い下げのコンビーフの缶詰とか、フ ルーツの缶詰で、およそ日本人の食生活には馴染めないものばかり。都会 人は、着物や帯といった貴重品を農家に行って米とか味噌に変えた。 ( 遊馬早織 画)