制作の記録[2005年]

国立成育医療センター
エントランスガラス面ヒーリング・アートプロジェクトの実施

プロジェクトの概要

2004年9月下旬、国立成育医療センター(東京都世田谷区大蔵2-10-1)から、エントランス正面入り口上部透明ガラス面にヒーリング・アートを制作してほしいとの依頼を受けた。ガラス面は縦約7メートル、横約11メートルあり、エントランス空間の採光に大きな影響を与える部分なので、透明カラーシートを使ってステンドグラスに近い演出効果を考えたアートの施工を試みることにした。プロジェクトには、芸術学部絵画学科(洋画専攻、日本画専攻)、デザイン学科、メディアアート学科、ファッション造形学科など複数の学科、専攻から計12名の学生が参加して、2005年3月、最終決定デザインをデジタルプリント透明シートにして施工を終えた。

作品テーマの決定

国立成育医療センターのイメージテーマは、「大地」、「森」、「空」であることから、エントランス上部に施工する作品は、「空」をイメージして制作することとした。

画面構成、施工の条件

ガラス面の高さが約7メートルあり、上部の施工が難しいこと、また透明なガラス面を通して空の景観をデザインに取り入れたいという観点から、施工は下半分に、上部半分は透明ガラスをそのまま活かすこととした。

新たな試み

今回は新たな試みとして、透明カラーシートをガラス面に貼り、ステンドグラスのような光を通した色彩効果を考えていかなければならないことから、標準色票を使用し、制作に使用するカラーシートの色見本と照合しながら透明カラーシートを使ってステンドグラスに近い演出効果を考えたアートの施工を試みた。また、原案作成者以外の学生も含め、複数の学生によるデザインのリメイクを重ね、客観性を重視して公共性のあるデザインに仕上げていった。



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