2025年度
2025年11月12日(水)〜2026年1月9日(金)
作品点数:4点
赤道直下に位置するインドネシア共和国は、約1万7千もの島からなる群島国家であり、現在でも数百にのぼる民族が暮らす多民族国家としても知られています。その島々と民族には各固有の文化があり、さらには、長い歴史を通して、東アジアの国々やインド、さらにはイスラムやヨーロッパの文化などが到来し、受容されていきました。そうした多層的な文化から生み出される染織品は、あまりに多様で、驚きに満ちています。
インドネシアの織物を代表するのが、「イカット」の名で知られる絣織(かすりおり)、そして「ソンケット」と呼ばれる縫取織(ぬいとりおり)です。
絣とはあらかじめ染め分けた糸を使うことで文様を織り表した布をいい、この技法は、一般的にはインドを発祥として、世界各地へと広まったと考えられています。絣織の技法には、染め分けた糸を経糸として使う「経絣」、緯糸として使う「緯絣」、そしてその両方に用いる「経緯絣」の三種類があります。
縫取織は紋織物の一種で、絵緯(えぬき)と呼ばれる糸を織り込んで文様を表すものをいいます。その表現は、波のように揺れる糸の様子が美しいスマトラ島の儀礼布、絹織物に繊細な金属糸を織り込んだバリ島の布、絣織と組み合わせたものなど、非常に多彩です。
他方、染物としては、布に蝋を塗布し防染するろうけつ染めの「バティック」が知られています。特にジャワ島のバティックは、繊細かつ複雑な装飾が特徴であり、その文様はや色彩は、同じジャワ島の中でも産地によって異なります。
この展示では、そうした幅広いインドネシアの染織品の技法の一部をご紹介いたします。

2025年9月10日(水)〜11月10日(月)
作品点数:9点
絣(かすり)とはあらかじめ染め分けた糸を使うことで文様を織り表した布をいい、この技法は、一般的にはインドを発祥として、中央アジアから世界各地へと広まったと考えられています。
絣織の技法には、染め分けた糸を経糸として使う「経絣(たてがすり)」、緯糸として使う「緯絣(ぬきがすり)」、そしてその両方に用いる「経緯絣(たてぬきがすり)」の三種類があります。とりわけ高度な技術を要する経緯絣は、インドの他にはインドネシアのバリ島、そして日本にのみ継承されています。
日本における絣の最古の現存作例は法隆寺に伝来する「太子広東(たいしかんどう)」と呼ばれる絹の絣で、8世紀頃、大陸からもたされたものだと考えられています。
一方、琉球では14世紀頃から東南アジアとの貿易が始まったといわれています。南海から持ち込まれた絣織の技法が当地に定着し、その素朴な風合いの織物は、やがて日本各地に広まっていきました。
江戸時代末期から明治にかけて、絣は生産のピークを迎えました。北陸・越後では麻の絣(上布)、久留米・伊代・大和などでは木綿、そして絹の絣は「紬」の名で親しまれ、結城紬や大島紬がよく知られています。高級織物から庶民の日常着まで、絣の種類は多岐にわたり、人々の生活に浸透していきました。
