中西夏之(1935~2016)は、日本の前衛芸術、そして絵画の在り方に問題提起と新たな可能性を示す表現を展開し、戦後の美術を牽引してきた画家です。絵画作品《韻》、コンパクト・オブジェやハイレッド・センター、舞踏の舞台美術など緻密に練り上げられた思考と構造、そしてその先に起こり得る未体験の現象は常に注目され、さらに《山頂の石蹴り》からはじまる作品では【絵画場】という絵の誕生と絵を見る方法、絵画的衝動を問い、世界的にも高い評価を得ています。
中西夏之の代表的なインスタレーション作品《カーボランダム・ホワイトランダム“1975”》の再現、「絵はもともと平面ではなく円筒であり、我々はその内部にあってドラマの連続の渦巻きの中で動き回っている。」という中西の言葉を想起させる未発表シリーズのドローイング《走行列車内》、その円筒を切断したことで緩やかに開いた一枚の薄い地表が立ちあらわれ光を放つような絵画《4ツの始まり》などを展示します。
さらに本展は、ドローイングや絵画作品の制作のための資料やノート、映像を研究し発表することで、美術大学としての独創的な研究を紹介するプロジェクトです。
中西作品と絵のための所作が連鎖し、色彩と線、言葉が眩く煌き出すような空間に身を委ね、新たな地平の上を歩むような体験をご堪能ください。
- 展覧会情報
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- 会期:2017年7月5日(水)~8月4日(金)
- 休館:7月9日(日)、7月23日(日)、7月30日(日)
- 時間:10:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
※7月16日(日)は18:00まで開館延長
- 入館料:無料
- 関連イベント
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(1)『砂絵の再生』
中西夏之が作成した『砂絵の再生』1975-1977という指示書を元に本学スタッフが再生を試みます。
※申込不要・参加費無料
日時:7月5日(水)13:00~16:00
集合場所:10号館1階 女子美アートミュージアムロビー
- (2)《二ツの環》パフォーマンス鑑賞イベント
*安全を配慮し、参加者の皆様には《二ツの環》を回転させる様子を鑑賞していただくことになりました。(7/3変更)
※申込不要・参加費無料
日時:7月16日(日)14:00~15:00※雨天中止
集合場所:10号館1階 女子美アートミュージアム受付
※美術館ロビーにて集合後、屋外へ移動します。熱中症・防虫対策等各自ご配慮ください。
- (3)ゲストによるトーク・イベント
光田由里氏(DIC川村記念美術館学芸課長)による講演会。
※申込不要・参加費無料
日時:7月24日(月)13:30~15:00※13:20より開場
人数:100名程度
開催場所:10号館1階1011スタジオ
図録販売について
「中西夏之展」展覧会図録の詳細については11月初旬に女子美術大学洋画専攻ホームページ
http://mixed-color.com/にて発表します。