女子美術大学美術館

2013年度

女子美術大学美術館コレクション公開
第15回『日本の裂 文字模様』

2014年1月22日(水)~3月16日(日)

作品点数:8点

江戸時代の小袖には、草花の模様に文字(漢字やかな)を配したデザインが好まれました。
文字は『和漢朗詠集』や『古今和歌集』『源氏物語』などの詩歌から引用され、他のモチーフと組み合わせてデザインされました。文字を配することで判じ絵を解くような楽しみが好まれたようです。小袖に配された文字からそれを意味する和歌を想起する、知的な遊び心が表現されているのです。次第に、単に典拠となる詩歌の内容を暗示するだけではなく、「書」としての視覚的な効果や書体の美も重要視されるようになり、文字の筆致を忠実に表現するようになりました。
本展では「女性の品格」にふさわしい、江戸時代の女性の教養の高さを物語る文字模様をお楽しみいただきました。

女子美術大学美術館コレクション公開
第14回『日本の裂 秋を彩る草花 partⅡ』

2013年12月4日(水)~2014年1月20日(月)

作品点数:8点

前回に引き続き「秋を彩る草花」をテーマに小袖裂を展示いたしました。
小袖のモチーフに使用される植物で、桜や梅と並ぶものが秋の草花です。紅葉は美しい葉の色が絵になるため大変好まれました。また菊も長寿などの願いをこめた吉祥の意味で大変多く使われています。萩は風にそよぐ様に風情があり小袖の模様として登場します。酷暑の夏が終わり秋風とともに人々の心にも落ち着きが戻り、秋の草花に情緒を感じるのでしょうか。秋草模様は多くの小袖を彩ってきました。

女子美術大学美術館コレクション公開
第13回『日本の裂 秋を彩る草花』

2013年10月23日(水)~12月2日(月)

作品点数:8点

残暑がおさまり秋風が爽やかに感じられる季節には、お月見、重陽の節句(菊の節句)、紅葉狩り、秋祭りなど様々な行事があります。
お月見は文字通り、透き通った夜空に出る美しい月を眺める風習です。菊の節句は中国から伝わった風習で、長寿を祝って菊を愛でたり、菊の花びらを浮かべた酒を酌み交わしたり、夜に菊の花の上に綿をかぶせ、夜露に濡れた綿で体をぬぐったりするものです。菊には薬効成分があると考えられているため、長寿を象徴する花として親しまれていました。
本展では、秋を彩る草花があしらわれた小袖裂をご覧いただきました。野に咲く秋草の風情をお楽しみいただきました。

女子美術大学美術館コレクション公開
第12回『アンデスの服飾』

2013年9月11日(水)~10月21日(月)

作品点数:6点

アンデスの地は織物の宝庫として知られ、海岸地帯では綿の栽培が、高原地帯ではアルパカやリャマの家畜化が早くから始まりました。
本展では、ナスカ・チャンカイ・インカの特徴的な服飾類6点を展観しました。アンデスの人々は言葉による記録を遺しませんでしたが、織物の文様はまさにヴィジュアル・ドキュメンテーションであり、文化と創造力の記憶そのものです。シンプルな服飾形態ですが、高度な織物技術により創出されたユニークなデザイン、斬新な色彩感覚に溢れています。アンデスに生きた人々の美意識や宇宙観をお楽しみいただきました。

女子美術大学美術館コレクション公開
第11回『日本の裂 夏を彩る植物』

2013年6月19日(水)~7月15日(月・祝)

作品点数:8点

小袖には四季折々の植物が描かれています。描かれた模様によって季節を愉しむ風俗は日本独自の美意識といえます。西洋のコスチュームにも百合の花や薔薇などの豪華な花々が織り出されていますが、その場合は、処女性や家柄を象徴していたり、または、単にデザインとして取り入れている場合がほとんどです。中国も装束の模様により身分を象徴していましたが、その場合は厳格な階級社会を反映していました。一方、小袖模様で特筆すべきことは、自身の趣味に応じて四季の模様を取り入れている点です。四季折々の花々をデザインに取り入れ、先取りして愉しむことで、厳しい夏や厳寒の冬を乗り切っていたのでしょう。
本展では、優れた先人の知恵が継承された小袖裂をお楽しみいただきました。

女子美術大学美術館コレクション公開
第10回『日本の裂 桐と葵』

2013年5月21日(火)~6月17日(月)

作品点数:8点

桐と葵は初夏に花を咲かせる植物で、様々な工芸品や家紋のモチーフとして用いられます。
桐は天皇が着用する袍(ほう)(正装)に織り出されます。これは中国の思想に基づく逸話から図案化されました。その後、吉祥の意味が持たれるようになりるようになります。
一方、葵は賀茂神社の神紋でもあります。賀茂氏との繋がりの深い三河の武士団がこの紋を家紋にしており、徳川家康が将軍になってから特別な意味を持つようになります。
本展では、桐と葵をモチーフにした小袖裂をご紹介しました。様々な技法で表現された桐と葵の表現をお楽しみいただきました。

女子美術大学美術館コレクション公開
第9回『日本の裂 初夏』

2013年4月24日(水)~5月20日(月)

作品点数:8点

新緑が芽吹き、花が鮮やかに咲き誇り、虫たちの活動が活発になる初夏の風物は、小袖の模様にも多く取り入れられてきました。そこには単にモチーフとして表現されるものもあれば、ある寓意を含み物語を暗示するものなどもあります。その代表的なものが、杜若・流水・八橋の組み合わせです。これらは『伊勢物語』の「東下りの段」を暗示しています。小袖に物語の一場面を想起させる模様を描くことで、教養の豊かさや自然をいつくしむ心を表現していたのです。
小袖に表現された模様から日本特有の文化をお楽しみいただきました。