タイトル「障害理解とアートフィールド参画支援の取組」

国内視察:工房しょうぶ


担当者
木下道子(教育研究推進役)
小林信恵(学生部長・テキスタイル・教授)

参加人数
大学教員2人、職員2人、他1人

参加者名
吉武研司(絵画・教授):小林信恵(学生部長・テキスタイル・教授)
新藤豊久(教育研究事業部部長・職員)木下道子(教育研究推進役):赤木恵里(教育研究事業推進室・アシスタント)

活動日時
2010年1月30日、31日、2月1日

活動の目的
日本国内の障がい者施設を見学する事で、障がい者のおかれている立場や、作業所が抱えている問題等を把握する事で、アートを通した障がい者との関わりを今後どのようにしていくべきか、また、女子美術大学としての方向性を探っていく事を目的とする。その先には、学生への指導の方向性も視野に入れて現状把握をしていく。

活動の場所
工房しょうぶ・霧島アートの森
工房しょうぶ:社会福祉法人 太陽会:鹿児島県鹿児島市吉野町5066番地
霧島アートの森:鹿児島県姶良郡清水町木場6340番地220 TEL:0995-74-5945
http://www.shobu.jp/kobo.html

活動内容
工房しょうぶ見学:霧島アートの森見学
施設と各工房にて、個々の作品制作や実際に作業している様子を見学する。また、指導員の方からも、詳しい作業工程や内容を伺い、障がい者の方の、物創りの意味と理解を深める。

工房しょうぶ:見学場所
1・レストラン・障がい者が自ら作ったパン、器、そして店員
2・ギャラリー
3・菖蒲学園の全体像・入所施設・菜園
4・絵画・造形教室
5・木の工房
6・和紙の工房
7・土の工房
8・布の工房

学生が得られた成果
学生へはこれらの作品や写真、資料を観る事により、障害のある人の作品に、関心をもってもらう事から始まり、その作品の質の高さや、サポートする側に立って自分たちができる事等を学ぶ事から始まる。

今後の課題、計画、可能性など
課題
学生に取っては障害のある方々との接点をどのようにもうける事ができるか。また、アートを通して自由な作品にどれだけ多く関わらせてあげられる機会を持てるか。
計画
初めての工房見学ではあったが、ぜひ多くの学生教職員の方の見学を実現したい。仕組みや人と人との関係など、自然の中でここまで成長している工房も珍しいことと感じた。
可能性
工房しょうぶの運営、入所者の真剣なまなざしなどホームページを見ても充実さ、満足度は高いが、やはり直に訪れる事で尚一層の障害理解に結びつける事ができると確信する。ぜひ訪問を実現したい。

先方からのコメント、感想
遠路はるばる色々な方がこの工房しょうぶを訪れている。また、最近は、美術関係の学校や関係の会社が訪れている。
特にホームページを充実した事でよりいっそう訪問者が多くなった。アートに関わる後継者や人材という意味では人が人を支えるという原点をみて、次世代の方々への期待も大きい。

担当者の感想
菖蒲学園を知ったのは1冊の本でした。NUI縫工房と題した四角くて大きな本、大事そうに抱えていた先生から渡された時には、愕然としました。今まで観た事のない刺繍を施したシャツやその大きく撮影された作品達でした。どこにあるのか、その工房は。インターネットで所在を知った。鹿児島。福祉関係の内容は何となく理解しておりましたが、工房しょうぶは人が住むというコンセプトのもと一つ一つの工房のデザインが柔らかい曲線でできていて学園全体が暖かく感じました。
皆ができる事をする、というコンセプトがあり、作家として作品を作り込んでいく人、マイペースで自己に没頭している人、何年も同じ場所で同じ事を繰り返している人、それぞれの生き方をしている事に意味を感じました。
途中、大きな楠の大木も見せていただき生気をいただいて参りました。 (KM)

施設そのものが、とてもすばらしく良い環境でした。大変素早しい作品が多くあったので、感動しました。1人1人の個性が輝いてみえた。園長先生を始めスタッフの方達が個性を大切に、なおかつ自由に物創りを応援している努力に感激しました。仕上がった結果を求めてしまう私達と違って、作業行為そのものを楽しんでいることが、とても印象的でした。5年程前の卒業生が、当日施設見学にも参加説明をしてくれて、とても良い思い出になりました。また、今後もますます繋がりをもっていけると思います。(KN)