タイトル「障害理解とアートフィールド参画支援の取組」

心を結ぶ東京画 掛け橋としての美術


担当者
小川幸治(絵画・教員)

参加者
学生8 名 教職員3 名

活動日時
2010年 4月~ 2011年 1月

活動の目的
公募して寄せられる東京思い出手紙をもとに写生画を描き添え手作り画文集にする。
障がいのある方や高齢者、入院療養中の方、外出が困難な方の不自由さを受け止め、絵で心の交流を図る。

東京画チラシ『東京の思い出話』募集
高齢者、入院療養中の方。外出が困難な方から『東京の思い出話』の募集を行う。
募集のチラシの配布はデイサービス、公共施設、区役所福祉課などを訪問し、福祉の種類、仕組み等アドバイスを受けた。展覧会などでちらしを手渡ししながら趣旨の説明を行った。
(左は募集のチラシ)

東京画文集募集の後、思い出話の読み、また伺い、理解を深めた。
お手紙に書かれた場所などについて資料館などを訪れたり、当時の様子を知る人にお話を伺ったり調査を行った。実際に文章に出てくる東京の関連の地や思い出の地を探し歩いた。
描画についての手法の検討を行い風景を描いた。

スケッチ画3枚、スケッチ風景写真1枚を同封して、手紙をくださった方にお送りした。
画文集は、これらを編集・レイアウトし、校正・確認を行って、印刷・製本した。
(右は製本された画文集の表紙)
完成した画文集は執筆者とご家族にお届けした。


学生の感想と得られた成果
スケッチを依頼する人だけでなく、依頼される側、私にとっても、
いろいろな場所を描けてとても嬉しい企画でした。【佐竹】

思い出の言葉と共に風景を描いていると、はじめての場所なのに優しく温かい不思議な気持ちになりました。
お手紙をいただき描かせてもらった事をすごく嬉しく思います。【遊馬さん】

この様な機会はめったになく参加できて嬉しかった。誰かの思い出があった場所に出てスケッチすることはとてもやりがいがあり、人とのつながりを感じられた。【駒井さん】

とても貴重な体験をしました。電子的なコミュニケーションが主流の時代に手紙を通して人との繋がりができたのは、とても感慨深いものでした。【滝沢さん】

私たちの住む町の時の流れを感じながら、絵を描いたことで町並を記録してゆくことの
すばらしさと重要性を実感しました。【先曽さん】

今の東京を見て、最近建てられたものと戦前から残っているものとが混在しているのが魅力的だった。
当然かもしれないが、長い時代の歴史が、過去から現在、未来へと続いていく街なんだな、と思った。【小野寺】

始めは、町並みのスケッチがしたいという思いだけで参加したのですが、人の想いを通して絵を描き、自分の絵によって人と繋がるという貴重な体験ができて本当に良かったと思います。私が初めて行く場所にも、色々な人の思い出が詰まっているのだと知ったことで、東京の町並みに親しみを感じました。【芳賀】

スケッチをすることで、東京の街にもまだまだ昔のまま残っているものがたくさんあることを知りました。 【江水】

『心を結ぶ東京画展』の開催
会期:2010年9月4日~28日 アートウォール・シビック
主催:女子美術大学短期大学部
女子美術大学短期大学部の学生たちによるスケッチ画を展示を行いました。