タイトル「障害理解とアートフィールド参画支援の取組」

『心いっぱいのアート展』


期間
2006.5/22(月)~6/10(土)

場所
女子美ガレリアニケ(東京都杉並区和田1-49-8)

担当
同窓会、本学卒業生、短期大学部デザインコース研究室 教授 木下道子

参加者
全学・学生・生徒自由参加

協働連携先
本学同窓会、杉並区、杉並区文化交流協会、本学美術館、他

概要
障がいといっても幅広く、焦点を絞ってくくることは困難を伴います。2000年に創立100周年関係のイベントを計画していた際に、卒業生の中に、障がいのある方々と共に、絵の展覧会や自立のための工芸品作りを指導している方々の存在がクローズアップされました。美術大学の専門性を生かし、社会の弱者と言われている方への支えになっている事実があり、広く社会に告知すると共に、ネットワークを広げていくことが、個々の活動への支援になることをコンセプトに展覧会を開催しました。3つのそれぞれの特徴を持ったグループがあり、大きな会場を3ブースに分けました。
①作品としての高いプライドを持ち、高めていくグループ
②生活者としての自立を支援しているが、作品のグレードは大変高く専門店に置いてある程の実力者もいるグループ
③障がいのある方と共に自由に絵画表現や造形活動をしたいなど、自由な発想法で活動を推進しているグループとはっきりと分かれた3つの展覧会企画を行ないました。
この展覧会を開催したことにより、都内や他地域の障がいのある方々が皆と集まる楽しさ、作家として認め合うことの意義や自覚など、障がいのある方とのパーティーでは皆さん楽しそうに語り合う姿に、絵や造形の力で生きているという実感を得ることが出来ました。学生や生徒のワークショップへの参加も多く、自由な発想のもとに枠にとらわれない表現を楽しむ姿がありました。障がい者自身が先生となり裂き織を教えたり、実演したりと隔てない場を創造し提供された指導者のこれ迄の道のりを遠く深く実感しました。制作する意欲を高めていく中で、より、納得のいく作品を目指すことで障がいのある方の能力開発と共に精神的な支えにもなり、モノ造りをすることで相互に活性化していくことに繋がっていると確信しました。学生共々活動を通して障がい理解と美の原点に立つ活動を支援する重要性を発見しました。さらに、将来の指導者としての人材提供の必要性とその役割を担える様な機会提供が美術大学に求められていることを実感しました。
メディア掲載:東京都福祉新聞 2003年2月10日夕刊、東京都杉並区広報 2003年2月12日刊等掲載

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