制作の記録[2006年]

東京女子医科大学病院小児病棟ヒーリング・アートプロジェクト

デジタルプリントシートによる作品施工
2006年4月〜2006年10月
東京女子医科大学病院 東京都新宿区河田町8番1号

プロジェクトの概要

2006年4月、東京女子医科大学病院(東京都新宿区河田町8番1号)から、改装中の小児病棟の環境改善のためにヒーリング・アートの制作依頼を受ける。今回アートだけでなく、当初1色で計画されていた病棟の各部屋のドアの色彩についても、トーンを合わせた4色の配色プランを同時に提案した。アートの施工場所は、ナースステーションのカウンター側面、病棟通路の収納棚、ドアの一部とした。作品は、ドアの配色も含め、空間全体の色調に合わせ、統一感のあるものにした。

また、絵巻物のように横に連続した画面構成で、ストーリーが流れていくよう構成した。絵具彩色した和紙や画用紙などの紙を素材としたコラージュによる動物表現と毛糸により制作した原画をスキャニングしてデータ化、改装の図面データに貼り込んで画面構成を検討した。決定した作品を原寸サイズに拡大して室内施工専用のデジタルプリントシートに出力、2006年10月、専門業者の施工によって作業が完了した。更に次期プロジェクトとして、引き続きナースステーションのカウンター上部下がり壁、プレイルーム、病棟入口設置の壁画制作を進めていくこととなった。

空間の配色計画とアートとの調和を図る

医療空間のカラーコーディネイトと、設置するアートの調和を図るように計画することが医療空間の快適性に大きく影響を与えるものと考え、アートの設定を慎重に行った。病棟の床、壁、ドアの配色とアートとの調和を図るように工夫を凝らし、アートの色調、構図、スケール、設置場所について検討した。アートを施工する場所の周囲の色調、特に病室のドアの色と調和するよう配色を考えて、作品の色彩計画を立てながら制作を進めた。



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