茨城県立こども病院X線TV透視室ヒーリング・アートプロジェクト デジタルプリントグラフィックス制作過程
茨城県立こども病院X線TV透視室のヒーリング・アートの施工に当たって、次のような工程で手描きによる原画制作から、デジタルデータ化までの制作を行った。
1. 原画制作
イラストボードに色鉛筆・パステルを使用し原画を描く。ボードの大きさはスキャナーのスキャン範囲によって決定し、スキャン後大きく拡大する場合は絵が荒れないよう大きめのボードを使用し、なおかつ細部まで細かく描き込む。全てを描き終えたらスキャン時にスキャナーを汚さぬようフィキサチーフをかける。
使用画材
・A4、A3、B4等のイラストボード
・色鉛筆
・パステル
・練ゴム
・フィキサチーフ
2. 原画のスキャン
原画をデジタルデータにする為に、スキャニングを行う。
Photoshopから高解像度でスキャンする。
スキャン後、カラーモードはRGBとなっているので、印刷用にCMYKに変換し保存する。
絵の配置場所を決める際に使用する解像度を低くしたデータも用意し、別名で保存する。
3. 配置イメージの制作
部屋全体のイメージを決定する為に、図面にデジタルデータにした各イラストを配置していく。
Illustratorで図面を開き、そこへ解像度を低くしたデータを配置し、配置イメージを制作する。
4. データのゴミ取り
スキャンしたデータには原画制作時についた埃などのゴミがついており、処理せずに印刷に出すと拡大されて印刷され目立つ為、確実に取っておく。
5. パス取り
ゴミ取りした絵の周りの余白部分を取り除く為にパス取りをする。パス取りをする事により、イラストの周りの余白部分を取り除きイラストのみのデータを作ることが出来る。
6. 実寸に変換
パス取りの終わったデータは、この段階では原画サイズのままのため、最終的に出力するサイズ(実寸サイズ)に変換する。
7. 実寸図面に配置
印刷に出す時には、実寸のデータを出す為、各イラストの実寸のデータを使用し、Illustrator上で部屋全体の実寸データを作る。
図面データファイル、実寸データファイルを全て同じフォルダ内に入れ作業を行う。まず、Illustratorで図面を開き図面のアートボードを実寸にする。
そこへ、実寸データファイルを配置して行く。全て配置をしたら完成。
※アプリケーションソフトは、アドビPhotoshopCS3、
IllustratorCS3を使用した。
大学院美術研究科修士課程デザイン専攻
ヒーリング造形2年
小礒 かおり
※基礎図面作成協力 東京デコラ株式会社