女子美 平成19年度採択 特色ある大学教育支援プログラム 問題解決型美術大学教育の実践 アート&デザイン ファシリテーターの養成 トップページサイトマップ

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解説

特色GPとは

ファシリテーターとは

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概要実施プロセス特性組織性有効性今後の実施計画


取組の有効性

本取組は申請を契機に一層の発展を目指す試みである。問題解決のためにアート&デザイン・ファシリテーターの養成は、次代のアート&デザイン教育の方向を先取している。
本取組の独創性と新規性は、美術教育の持つ二つの特性にも等しい。

(1)社会への提案・公開型教育
美術教育は直接性を持ち、手で触れられ五感に訴える。正に混迷する現実社会に対する提案、実践教育と言っても過言ではない。社会との交流を通して問題解決を体験し、解決策を社会に提示する公開性を伴う教育である。

(2)持続性ある社会への人材育成
アートやデザインはノーマライゼーション(健常者と障害者の共生)とバリアフリー社会の実現を目指すものであり、持続的行為が現実を変革するという価値観を共有している。経済力よりも人の心を慈しむ誰もが参画でき全体が支え合う持続性ある社会に貢献する人材育成を行う。
本取組の基盤となる〈触れる絵〉障害児療育支援レインボープロジェクトは、2004(平成16)年より開始された。この成果は、区内保育園でのモニタリング、特殊教育に関する学会等での発表や展示を通して、医療・福祉施設関係者を始めとする多くの人々から評価を得ており、学生がアート&デザイン・ファシリテーターとして活躍している実績事例である。

(3)教育上の効果
本学の共生〈共に生きる〉論理とは、専門性を軸に、心を開き、手をつなぎ、人を拒絶しない、支え合う精神を示す。この精神を背景に学生は、杉並区全域をフィールドワークの対象とし、社会との交流を通して異なる主体間を結びつけ、自らファシリテーションの意義と方法を会得して行く。また、その成果は大学教育の場にフィードバックされる。

(4)教育効果測定と評価方法
次の3点において教育効果の測定、評価を行い、教育目標を効果的に達成する。

(i)学生による評価
授業科目と同様に「学生プロジェクト評価アンケート」を実施し、継続して定量的計測とアンケートの自由記述を用い定性的分析を実施する。また、学生の声として、次のような意見に多くが共通している。
  • 他学科学生と共同して制作を進めて行くプロセスで、同じ大学で学んでいても、考え方や手法が全く異なることが解り、自分の専門分野の学習に参考となった。

  • 身体に不自由のある子どもやお年寄りも、自分の好きなものや楽しさを求める気持ちは変わりません。それらを共感できる手段としてアートこそ最適です。私達はそのことに気付き、自分達がアートをやってきたことに誇りをもちました。

(ii)教職員による自己評価

チーム指導教員や参加職員が評価を行い次期授業実施に活かす。

(iii)第三者評価
本取組は、プロジェクトの参加者や連携した行政機関、地域の人々、団体、サークル等の第三者評価を実施する。学生は実際的な問題解決に際し、組織作り・リサーチに始まり、協働メンバーと合意形成し具体化した解決法や成果を、地域社会で実施し直接的に反応を見ることができる。また、取組に参加、或は体験した人々から実際の評価を受ける。結果としては次のような声が多かった。
  • 絵には触れないというのが世間の常識でしょう。絵には触れない事を逆転させ、タッチすれば大きな絵が変わってゆくから、正直驚きました。音声とともに、絵から飛び出す動物や流れ星たちは、私の今までの絵のイメージとは異なり、とても新鮮で心和むものです。学生の持つアイデアが随所に溢れ、障害のある人や福祉施設で働く者の目にも楽しく夢を感じました。

  • (私の娘は)普段手を開くことはあまりしません。…自分から手を広げるなんて初めてのことで驚きでした。…手を開いて、タッチパネルに触れたのは嬉しかったようです。「お母さん、あったかいよ」と画面の温度に気がついて私に教えてくれました。指先で操作するのが難しい娘でも、手を開いて触って遊べるというのは有難いです。
また、「いきいきプロジェクト」には多くの学生が主体的に携わり、地域問題の解決策提起や作品制作を行い、地域の評価や教員からの評価を基に自己成長を確認する。FD活動を踏まえ継続的に複数のプロジェクトに携わる教職員や学生も少なくない。また、就職後にもボランティアとしてファシリテーター活動を実践する同窓生が各地に多数存在する。
 
     
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