女子美術大学

女子美術大学 | 文部科学省 「平成22年度大学生の就業力育成支援事業」 選定-就業力GP 職業的自立と美大の就業力リテラシーの養成

Home>2009

2009アーカイブホーム

1.『こんなのあったらいいな!プロジェクト』

企業との商品開発―株式会社イノウエとの取組―
相模原産業創造センター(SIC)からの依頼により、株式会社イノウエと生活雑貨の企画および商品開発を行うことになりました。同社は、組紐、ゴム、糸、 を使用した製品を手がける企業です。また、虫除けゴム、消臭糸などといった付加価値のある糸を効果的に利用した製品の開発も行っています。そこで、学生の 柔軟で固定概念に捉われない豊かな発想を生かし、日常使える生活雑貨を製品化することを目標にコンペ形式でデザイン提案をしました。採用されたデザインに ついては、コスト面や開発面での可能性を調査し、試作を繰り返し、パッケージデザインまで行いました。結果、完成した製品が半年後に店頭に並ぶことになり ました。学生たちは、企業の第一線で必要な商品開発の全工程と専門知識について創造性を発揮しながら学習し、マーケットリサーチ、商品開発コンセプト、プ レゼンテーション計画などを実地で体験することができました。

2.『神奈川県立公園プロジェクト』

「神奈川県立公園」の来園促進・イメージアップのためのブランディングプロジェクトを、メディアアート学科3年次授業として2008年より実施して います。そのため、まず「公園」を「交園(=Communications Parks )」→「coen」と定義。「人と人との交わり、人と自然との交わり。」をコンセプトに、VIプランやキャラクター「coちゃん・enちゃん」およびロゴ マークをデザイン制作しました。学生たちは、キャラクターグッズ開発や着ぐるみによるグッズ販売促進にも参加しました。「coen de eco !キャンペーン」と称したイベント企画の提案も行っています。各公園イベント参加協力、ポスターやチラシのデザイン制作などにも取り組んでいます。
○協創連携先:財団法人神奈川県公園協会

3.『OTOMEプロジェクト』

最先端技術を投入しているゲーム機業界とのコラボレーションにより、最新技術を活用したパチンコ台製品を作る過程で学生が関わるチャンスを得まし た。業界では、女性層を開拓したいというコンセプトのもと<太王四神記><江戸を斬る><ガラスの仮面>の盤面デザインと液晶デザインの依頼がありまし た。それぞれ現役プロの厳しい指導で、ゲーム業界やアニメーション、プロダクトデザインなどを希望している学生にとっては、仕事の流れや機器に関する仕組 み、映像に関する知識を修得することができました。結果、個々のスキルアップを図ることができ、大きな収穫がありました。また、女性の感性を生かしたユ ニークで柔軟な考え方を示すことによって、目標を達成することができました。
○参加者/日程:女子美術大学:学生32名、教員6名、職員1名 拓殖大学:学生6名、教員1名
○1期:2006年3月?2007年3月
映像デザイン:企画書作成→題材調査→ゲーム企画→リーチコンテ作成→ムービー作成 液晶制御(協力会社)→完成
○2期:2009年6月?2010年3月
盤面プロダクトデザイン 取材調査→デザインコンセプト→ラフデザイン→レンダリング 造形モック作成(協力会社)→完成
○協創連携先:相模原産業創造センター、京楽産業株式会社、株式会社CONSEPT、株式会社アトラス、他3社
○目標:2011年完成

4.『女性の味方プロジェクト』

女性の月経血を採取し、血液を検査することにより病気の早期発見と初期段階でトラブルを発見するための<検査キット>が開発されています。大学と企 業とのコラボレーションにより、その使用に関してそれぞれの大学の専門性を生かした製品作りを目指し改善や提案を行いました。月経血の採取に、精神的抵抗 を受けないように、検査キットを受け取るときのパッケージの大きさや使い勝手、使用説明書など、きめ細かいところに配慮したユニバーサルデザインを提示し 好評を得ました。他大学の試検による分析は、デザインをする側にとっても大切な要素で、色彩面や使用者側に立った発言には、調査の重要性を改めて考えさせ られました。また、そのことを生かしたデザイン面での工夫ができ、説明書の使い勝手や機能性に優れた表現は、他大学やクライアントに対し潤沢な内容提示と なり高い評価を得ました。
○ 参加者:女子美術大学:学生32名、教員6名、職員1名 桜美林大学:200名 日本女子体育大学:400名
・インダストリアルデザイン全体、パッケージ、説明書のデザインなど モニター(女子美術大学)
・医療心理学からのアプローチ、マニュアル、アンケート フィードバックモニター(桜美林大学)
・女性アスリート生理学からのアプローチ モニター(日本女子体育大学)
○ 日程:2007年12月?2008年4月/調査期間:月経血キットのスペック、STD:綿棒キット開発 2008年4月?2008年10月/共同研究開発 キットのPR:月経血キットのスペック・綿棒キットの応用開発 2008年10月?2009年3月/研究成果、論文化など協力 2009年7月までに実 証、モニターテスト
○協創連携先:相模原産業創造センター、株式会社ピリオドック
○目標:量産 目標量:250セット

5.『障害児療育支援 レインボープロジェクト』

最新ICT技術を活用し、発達に遅れの心配のある子どもの療育を支援するソフト開発を、メディアアート学科3年次の授業で実施しました。子どもの成 長期には、身体や五感に働きかける遊びが欠かせません。そこで、1歳半から5歳までの就学前の子どもを対象とした療育において、外界に対する関心を促すこ と、先生とコミュニケーションをとること、生活習慣を身に付けることなどを目的に、「見る、聞く、触る」などの感覚的要素を総合的に組み合わせて、誰もが 楽しめるコンテンツ制作に取り組みました。
○協創連携先:杉並区立こども発達センター、株式会社キャドセンター

6.『女子美×電通 人権アート・プロジェクト』

株式会社電通と女子美術大学は、国内外で関心の高いCSR活動(企業の社会貢献)の中で、最重要解決課題の1つで最も取組が難しいと言われる「人権 問題」をテーマに、学生がポスターを制作するワークショップを行っています。制作プロセスの中では、電通のクリエーターからチェックやアドバイスを受け、 フィニッシュに向けての検討会を開いています。7月には、応募作品の中から選ばれた優秀作品を中心とした公開講評会を開催するほか、学内外にて作品展を開 催し成果を公表しました。
○協創連携先:株式会社電通

7.『虹色の杉並わくわくコンサート(バリアフリーコンサート)』

この取組は、健常者も障害者も子どもから高齢者まで、誰でもが楽しめ、安全・安心の地域社会を育てる光とアートと音楽を組み合わせた総合芸術プロ ジェクトです。そこで、障害のあるなしにかかわらず、誰もが楽しめるバリアフリーコンサートを企画し、杉並区と区内の音楽団体と連携して、学生アート作品 と光のコラボレーションによる公演を実施しました。
○協創連携先:杉並区役所、杉並区教育委員会

8.『環境ポスター制作ワークショップ』

今、世界的な問題として危機が叫ばれている「気候変動(2008)」と「生物多様性(2009)」をテーマにポスター制作を学生に呼びかけ、環境意 識やポスターによる広告、コミュニケーション技術向上を目指す教育プログラムを実施。学内にて中間指導、講評会を行いました。最終的に46点の作品が集ま り、IAAが主催する「気候変動」国際コンペに応募しました。今回募集を行うポスターコンペティションは、アート&デザインを学ぶ世界の学生を対象に、喫 緊の課題である環境問題について、国際連合が提唱するテーマのポスター制作を呼びかけ、世界に発信することにより環境意識を高め、アート&デザイン手法に よる広告表現の技術向上を目指しています。
○協創連携先:女子美アートミュージアム、横浜市民ギャラリー(横浜市芸術文化振興財団)
国際広告協会(International Advertising Association)、国際連合(The United Nations)、株式会社電通

9.『子どものためのワークショップ』

学生がアートやデザインができる能力を活かして、コミュニティとの絆を深め、参加者である子どもたちの活き活きと生きる力を引き出すために、アート アクティビティ(創作活動)を活用する方法とその意義を理解することを目的に、学生がワークショップを企画立案し計画を実施しました。学生がアート系ワー クショップ(創作の要素をベースとした参加体験型活動)のファシリテーターとして活躍するための理論と実践の基礎学習を目指しました。
○協創連携先:女子美アートミュージアム
横浜市民ギャラリー(横浜市芸術文化振興財団)
※掲載分は一例であり、産官学の協働連携の取組では、ほかにも多くの企業、自治体などから協力をいただいています。

報告書PDF版 DOWNLOAD