女子美術大学

女子美術大学 | 文部科学省 「平成22年度大学生の就業力育成支援事業」 選定-就業力GP 職業的自立と美大の就業力リテラシーの養成

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3Dステレオ映像制作プロジェクト

ステレオ3D映像制作に取り組む意義

ステレオ3D映像とは、3D映画や3D液晶テレビでおなじみの両眼視差を利用した立体視映像のことです。メディアコンテンツ制作の業界のみならず、医療、教育の分野でも注目されている技術です。

平成22年度中頃より、映画業界における興行の成功が起爆剤となり、広く一般に認知され、関連技術開発によって、テレビ用の液晶・プラズマディスプレイの低価格化が進み、コンシューマー向けの関連機器が様々市場に投入されるようになりました。ステレオ3D二眼式ビデオカメラも登場し、美術大学教育のカリキュラムに取り入れることが可能となりました。まず、対象物を見て観察することから始まる美術教育において、両眼で物を見て脳の働きよって立体を認知する視覚機能を考察することは、新しい映像表現の追及に留まらず、通常の作品制作にも多大な意味を持ちます。
成果物として立体、半立体、空間、インスタレーション、ファッションショーなどの舞台表現を含む美術系大学としては、その映像の圧倒的な臨場感と注目度・発信力を利用し、美術教育の中で活用することはもとより、就業力アップに結びつけることを、本学独自の教育の特色の一つと位置付けます。
女子美術大学では、他の美術大学に先んじて、平成20年度よりステレオ3Dコンテンツ制作に関する技術を授業に取り込む実践を行ってきましたが、下記のような点において、ステレオ3D映像導入の教育的意味は大きいのです。

  • ステレオ3Dで臨場感溢れる学生、卒業生の活動の記録やアーカイブス
  • Webや展示による情報発信
  • 学生作品の記録・プレゼンテーション
  • コンテンツ制作のスキルアップ(撮影・編集・再生手法)
  • 新たなプレゼンテーション手法の開拓

一方、ステレオ3D映像制作においては、撮影、編集、再生それぞれにノウハウの蓄積とスキルが必要となります。
撮影においては、対象物(大きさや撮影距離)や動き(静的作品か動的作品か)によって撮影機材の選択や設定が必要となります。また、最終的な出力装置も多様であり、それぞれ受け付けるデジタル信号形式がメーカーによって異なるなど、業界統一基準が定まっていない複雑さも課題の一つです。
IT技術の進展によりデザインやアートにおける表現手法も様変わりします。新しい表現手法を活かせる学生の育成には、応用できる基礎知識と制作スキルを習得できるように、理論や演習、問題解決の手法を系統立て指導する体制が大切と考えます。

本プロジェクトでは、H23年度、以下のようなステレオ3D撮影および、授業や学外活動を支援、映像コンテンツを制作しました。

  1. ファッション造形学科3年『「own」ファッションショー』
  2. 『女子美スタイル☆最前線オープニングイベント・佐野ぬい/音楽とライブペインティング』
  3. 『女子美スタイル☆最前線 授賞式・受賞作品』
  4. 『障害児療育支援ソフト開発講評会』
  5. 『女子美プレゼンコンテスト』
  6. 学生有志で行った野外ライブイベント『オオノオト』
  7. 平成23年度『卒業・修了制作展』

卒業後の進路

就業先としては下記を想定しています。
映画・映像制作、放送関係、広告関係、ゲーム、アニメーション、ソーシャルネットワーキング、web、教育、建築、インテリア、医療、ソーシャルメディア、美術館、博物館、ディスプレイ、イベントなどへの就職活動に役立ちます。

教育支援体制

電子ポートフォリオやデジタルアーカイブス構築のために、『ステレオ3D プロジェクトユニット』を結成し撮影編集の支援を開始しました。
ユニットの構成は、指導教員2名、卒業生2名、学生8名。

報告展

制作された3D映像は、3Dテレビ、裸眼立体視ディスプレイ、プロジェクターで上映を確認し、ステレオ3D映像作品を学内にて発表しました。

■GP活動報告展

日程:2011年1月17日~20日

■就業力GP活動報告展(ステレオ3D映像制作プロジェクト成果報告)

日程:2011年3月11日~14日

参加者

川口吾妻(アート・デザイン表現学科メディア表現領域 教授)
元重裕文(非常勤講師)
坂下今日子、福田恵(GP専属スタッフ)
プロジェクト支援組織『ステレオ3D プロジェクトユニット』

□関連ページ:3Dステレオ映像制作プロジェクト2010

「障害児療育支援ソフト開発講評会」ステレオ3D撮影
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