優れた模本を数多く揃え、古典研究に力を入れています
優れた模本を数多く揃え、
古典研究に力を入れています

1年生では「鳥獣人物戯画」、2年生では伊藤若冲筆「動植綵絵」の模写を行い、優れた描線や裏彩色の表現を学びます。3年生では墨流しや金銀砂子の技法が使用されている「扇面古写経」や「動植綵絵」に取り組み、大和絵の技法や、天然絵具の使い方など古典技法をじっくり学びます。大学院では、「紫式部日記絵詞」「平治物語絵詞」「吉備大臣入唐絵巻」「一遍上人絵伝」「瑞巌寺飛天図」などの中から好きなものを選んで模写を行い、下地に和紙を何層も貼り込んで自ら和額装に仕立てます。
1年次 鳥獣戯画 模写授業風景
平安~鎌倉時代に描かれた、国宝「鳥獣人物戯画」の模写に取り組みます。抑揚あるのびやかな墨線で表わされた蛙・兎・猿たちを、丁寧に写し上げていきます。完成した作品は自ら裏打ちを施し、収納するための仮巻きの作製も行います。
2年次 山水長巻 模写授業風景(~2019年度まで)
室町時代に描かれた、国宝「山水長巻」の模写に取り組みます。皴法(山や岩など筆さばきにより立体感を出す技法)を始め、雪舟の奔放な筆勢や筆の運びを理解しながら描いていきます。墨色の微妙な諧調も捉え、水墨表現の奥深さを学びます。
2年次・3年次 伊藤若冲「動植綵絵」模写授業風景
江戸時代に伊藤若冲が42歳から10年余りかけ、描きあげた30幅にもおよぶ作品群です。「動植綵絵」とは、動植物を描いた美しい彩色の絵を意味しています。模写を行なうことによって染料と顔料を使い分ける技法を追体験し、さらに絹本ならではの裏彩色の技法を学んでいきます。
3年次 扇面古写経 模写授業風景
平安時代後期に制作された装飾経の1つ、国宝「扇面法華経冊子(扇面古写経)」の模写に取り組みます。制作から800年以上経た現状の色調を目指し、天然岩絵具を焼いたり、混色・重色しながら表現していきます。貴族女性の文化的好みが反映された大らかな画趣・豊かな色彩を捉えていきます。
大学院 模写授業風景
王朝絵巻の「紫式部日記絵詞」、説話絵巻の「吉備大臣入唐絵巻」、合戦絵巻の「平治物語絵詞」、そのほかに「一遍上人絵伝」「瑞巌寺飛天図」など様々な表現・主題の中から好きな作品を選び、じっくりと古典絵画技法を学んでいきます。2年次には、自ら和額装に仕立てて完成させます。下地骨の上に、骨縛り・蓑掛け・蓑押さえ・下袋掛け・上袋掛けといった和紙を何層にも貼り重ねる工程を学びます。