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プログラムについて 取組の概要

女子美術大学は、美術による女性の自立を大学の理念とすることから、これを海外に適用し、開発途上国の特に女性達への生活自立支援活動を行っています。まだ緒に就いたばかりではありますが、学生達がデザインを提供する活動を継続することで、国際力を身に付けた社会貢献できる人材を育成することを本取組の目的としています。

〈本取組の背景〉
1. 素材と環境を巡る社会的ニーズ…アート&デザインへの要請
大量生産・消費・廃棄等により地球規模の問題が発生し、環境、人類の福祉、幸福を損なう事態に至り、各種資源や食料を海外に依存する我が国にとって大きな問題となっています。発展途上国を含め世界全体で「地球環境との共存」を図り、持続的社会の発展を実現するためには、アートとデザインの独創力・展開力が必要です。困難な課題解決に向け幅広い知識の創出と蓄積、英知が必要であり、アートが内在する豊かな可能性と本学の学生達の女性としての感性とその柔軟な力が役立ちます。

2. 本学の人材養成目標…人材養成と協働連携
本学はデザインやアートの分野で、地球レベルでの社会文化と環境の様々な問題に対処できる人材の養成を目的に実践型素材・環境教育を行っています。本プログラムで、学生は地域性に基づいた土・砂・岩・植物などの素材をモデルに、自然環境の機能を理解し、各国とのデザイン交流を通して国際感覚を身に付けます。さらに、本取組は相模原・町田市域を、地球環境問題と結びついたアート&デザインの素材と環境活動のフィールド実習現場として活用し、土壌や植物生態系の概念や農(植物)の栽培を大学近隣農場で体験させると共に、NPO組織、自治体等との地域連携、国際交流協定校との協働体制も取るシステムです。

〈本取組の基幹構造〉
1. 本取組の目的
美術大学という立場から、開発途上国に贈ることができるもののひとつにデザインがあります。日本のデザインは我が国の文化の象徴とも言え、国際的競争力をもつ知的財産として、その贈与は日本ブランド力の発信となりえます。本学の学生達のデザイン力が、発展途上国の地域活性化、産業経済振興への活力となり、継続的な支援を展開することで、広く各国・各地域社会へ貢献したいと考えています。

2. 素材と環境
本学では、20年以上にわたり自然環境を中心に日本画の絵具(顔料)素材の探求を核に紙・布・繊維・木材・壁土などの素材教育・学習を継続的に展開してきました。これは、他大学にはない本学の独自性であり、現在も社会的資源として循環可能な、環境に負荷を掛けにくい素材の研究を試行しています。

3. 教育の目的
本学の学生は、美術専門基礎教育の中で素材に触れることにより、環境保全の知識獲得、環境や地域等の問題解決活動の契機を得ています。学生達はこれらの活動の実践により自己のデザインやアートが社会と融合するフィールド展開力、応用力を高め、学びの質を向上させます。さらに、学生や教育・研究等の質は、学生教育を4年間の完成教育と見るのではなく、学生の生涯を見つめ、卒業した後もキャリア形成の途上にあると捉え、一生を支援し続けることで保証できると考えています。また、本学の高大連携は、高校生に大学教育を提供することで入学者の質を高める入学前教育です。中等教育以降の一貫教育体系に包含されるひとつの教育的形態と捉え、入学前教育の実践により大学教育の質の保証を行っています。

4. 美術大学教育を特長づける教育
アート&デザインの現場を利用した実践力の強化目的により体験型授業科目(実地研究、ファシリテーション型、コラボレーション型授業等)を導入実施しています。

5.素材と環境教育プログラム
履修プロセスは、「体験フィールド創出プログラム」というコンセプトに基づき、学科専攻を超えた、アート&デザインの《実践的フィールド》の構築を目的として編成される。平成18年度より試行、19年度よりカリキュラムに位置付ける「コア科目」と共通理論・関連演習科目に加え、各学科専門科目を主体に活動するチーム実践型、グループワーク型のプログラムによって構成されています。
○コア科目…教育課程開発から海外サービス・ラーニング等の形態をとり「環境論」に加え、「素材論」等のコア科目を学科専攻科目から学部共通科目に発展させる予定です。
○実践型プログラム…講義、演習に加え、ワークショップ、コラボレーション、プロジェクト等表現そのものを主軸とする実践型教育を行います。





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