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Project H baishakhi_にこぷん
活動報告201120102009

実施期間:平成21年9月〜継続中
参加学生:メディアアート学科、絵画学科、美術学科他
担当教員:デザイン・工芸学科 横山勝樹
協働連携先:神奈川県立相模原青陵高等学校
場所:本学相模原キャンパス、その他

【関連ページ】
*にこぷん
*エココン・活動受賞歴
*オーストリッチーズ
*わたけん
*GM

■プロジェクトの概要
baishakhi(以下ボイシャキ)はバングラデシュから来た留学生との出会いから発足しました。南北問題により生じた経済格差は現在も続き、同国は最も貧しい国の一つとして、人々は日々苦しい生活を虐げられています。本プロジェクトの取組が同国の諸問題の解決に少しでも貢献できるよう、学生のデザイン力を活かして、特産品である「革」製品の開発・提案を行っています。
平成21年度に、教養科目である「環境論」を受講していた学生たちがその発展的授業「環境論+」として始めましたが、今年度は「にこぷん」に加わり、活動を継続しています。
まず「素材」を入り口にし、そこから環境問題に興味をもってもらう・・・革という素材への興味と好感から、その素材の原産国である国、バングラデシュについても知ってもらう。このように少しずつ、興味→好感→知る→使う→広がる、の順に広がってゆくことを狙いとしています。
「環境論」の授業から、人と人との経済的格差を解消できなければ、環境問題についての本当の解決は無いと考えました。環境問題の大元は南北問題にあると考えています。南北問題の北側とは欧米など北半球の先進国を指し、南側とは南半球に多く位置する植民地化されてきた国々を指しています。発展途上国では森林伐採や、未発達な工業による環境汚染等、悪循環が続いています。バングラデシュの現状は、人口が爆発的に増え、国民の約6割が農業に従事しているものの、失業率は約4割を越えており、都市にはヒトがあふれています。また、働き手は殆ど男性です。女性の社会進出が増加していますが、まだわずかだといわれています。ボイシャキはバングラデシュからの留学生にその現状を聞き、解決に向けて出来ることは何かを考えました。
多くの人にバングラデシュや南北問題について伝えるべく、本プロジェクトではバングラデシュの特産である牛の革を使って平等な立場での商品開発、販売を目指すことにしました。女子美側でデザインを行い、バングラデシュの職人が商品の製造を行います。そうする事によって見込み生産などの無理な計画に頼らずに仕事ができ、平等な立場で商品開発を進める事が出来るはずだと考えました。いまだ経済的に非常に弱い立場にある女性に手に職をつけて、自立してもらいたい。女性だけではなく、「支援依存国」としてのバングラデシュの自立を少しでも手助けしていきたい。こうして格差を無くすための仕事を提供すること、革小物のデザインの質の向上を目標に、ボイシャキはスタートしました。

■成果
様々な調査活動、バングラデシュ支援活動を行っているNGOの方にお話を伺っていく段階で、目標の実現が非常に難しいことだとわかりました。目指す支援のあり方を確立するまでには、想像以上に長期間を要し、組織化も含めて様々な検討事項があることが明らかになりました。そこで、気負わず学生たちがはじめられることから改めて考えました。まず「革への興味」を深めること、革という素材の研究をすることから始めました。

【ワークショップ:革のブレスレットをつくる】
平成22年度は会場で、ボイシャキの活動報告展示を行うと同時に、革紐でブレスレットを作るワークショップを2回行いました。
「革」という素材に触れる機会を用意しながら、環境問題に興味をもってもらうことを目的にしました。
参加者の中にはこのワークショップで初めて「革」について意識したという人や、ブレスレットを作りながら南北問題についての議論もあり、少なからず手応えを感じました。しかし南北問題についてはきちんと理解してもらうのが難しく、ワークショップでのレクチャー内容に工夫の必要性がありそうです。
またデザイン面にも課題が残りました。皮の特性を生かした製品を作ることの意義を考え直す機会となりました。

1.1回目:第35回相模原市相模原地区障害児・者作品写真展
期間:平成22年8月20日〜22日
場所:ジャスコ相模原店1Fパブリックスペース
主催:相模原地区障害児・者作品写真展実行委員会
協力:にこぷん

2.2回目:神奈川県立相模原青陵高校文化祭
日程:平成22年9月12日
場所:県立相模原青陵高校

■今後について
私達は今、大量に消費することに慣れてしまっていますが、自分のライフスタイルを見直し、手にしている商品の生産プロセスを理解した上で、本当に価値のあるものとは何か考えるべきでしょう。例えばフェアトレード製品(公平貿易:弱い立場の人々の労働を不当な価格によって取引したものではない商品)を広く紹介していきたいと考えています。フェアトレードの視点から革にまつわる問題を考え、意識改革につながるきっかけが掴めるかもしれません。この意識改革が大きな動きとなり日本全体の意識を変えられるよう働きかけてゆきたいと考えています。
教育GPの支援が無くなった後も活動を継続するためには、学生が作った物を販売し、活動資金を得ることも必要となってきます。
わたしたちが南北問題について知ることによって行動したように、「知る」ことで少しずつ意識改革ができると信じて、その輪を広げてゆけることを目指しています。

1 - 革をみたてる 2 - ミーティングにも熱がはいる 3 - 革で試作する 4 - 「素材と環境」展・活動報告の展示 5 - 青陵高校文化祭ワークショップ 6 - ワークショップ:ブレスレットをつくる
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