実施期間:平成21年4月〜継続中
参加学生:工芸学科、相武台高校の生徒
担当教員:大学院修士課程デザイン専攻 赤沼國勝
場所:本学相模原キャンパス
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■プロジェクトの概要
今年度発足のワタケン(棉研)は日本特産の棉(和棉)がなくなりつつある事を懸念した大学院生の発案で活動が始まりました。土作りから収穫、さらに糸から布になるまでの1年間を、「はぐくむいやし」をテーマに活動しています。特に現在世界的に主流となっている洋棉産地(とりわけインド)での農薬の大量使用は素材としての安全性や生産農家の人の健康上の問題など懸念材料が多くなっています。単に生産性の悪さのために消えつつある和棉の持つ風合いや肌合いの良さなど、洋棉にはないすばらしい点に気づいた学生が、それを自分の手で育てて生産性についての問題や和棉の良さを実体験しながら作品化するという内容で計画は動き始めました。
■成果
大学に畑地を提供してもらい、土作りを手始めに、データロガーを設置して気象条件を記録分析する手はずを整え、5月には数種類の棉のタネを植え実際に栽培を行いました。以来10月の収穫まで観察、記録を行い、そこで収穫した棉を素材にして秋には作品化するワークショップを一般公開で実施しました。
畑仕事をしてゆく中で、ざらざら、ふわふわ、さらさら・・・したワタや土に触れることは、自分の中の新しい発見に繋がります。わたけんは、オーガニックコットンとして棉を育てています。棉に害のない木酢で虫を退治したり、棉の芽を食べてしまうナメクジはビールの罠をしかけてとらえています。今年は、根切り虫対策対策にダチョウの卵の殻を使う予定です。
・わたけんに参加した高校生の感想より
間引いた苗をいただいて、家族でのコミュニケーションのきっかけを得ました。それから棉という植物の後ろ側にある歴史など、最初の疑問の答えだけでなく、たくさんの忘れられない事柄がつまっていたと感じました。
今回、わたけんをとおして、棉の出来かたや歴史、自然とのふれあいについてなど、色々と学ぶことができました。活動に参加して本当に良かったです。
・わたけんより
棉が私たちに教えてくれたことは数多く、環境問題を考えるおおきなきっかけになることに驚かされました。便利な世の中で生活していても、事前によって私たちは生かされていることを私自身が学ばせていただいた一年でした。
■今後(H22)について
実験段階を終え、来年度は日当たりの良い畑地を大学から提供受け本格的な活動を続行する予定です。畑がある女子美で、女子美生を対象としたワークショップを行ってゆきます。
わた-wata.-にっき
http://watawata33.exblog.jp/