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Project F 注染プロジェクト
活動報告20112010200920082009

実施期間:平成18年4月〜継続中
参加学生:工芸学科、ファッション造形学科
担当教員:工芸学科 大澤美樹子
場所:本学相模原キャンパス、その他

【実施プロジェクト】
*注染手拭プロジェクト
*注染B反プロジェクト
*スリランカ第2プロジェクト

■成果
平成19年3月以降進められてきましたが、平成20年度は、注染の技法を基に、学生のデザインを商品化すると共に、海外の産地の綿などを利用した繊維製品の商品化により途上国の経済振興や生活支援の実現を目標にしています。そのために本学からは注染の技法指導を行い、参加願った企業の方々からは商品開発に関するノウハウを頂戴し、商品化への協力を仰ぐことを目的として打ち合わせを重ねました。また、学生による素材実験も進行中です。

【注染手拭プロジェクト】
日本伝統の染色法である「注染」は、染色に裏表が出来ない唯一の技法であり、量産できる手法として、明治時代から浴衣や手拭の染色に用いられてきました。現在、日本でこの技法を美術教育に取り入れているのは本校だけです。
数少なくなった注染の職人、組合、会社の方々と本校学生が一体になって、この日本の伝統文化を守りつつ、従来の注染では不可能とされていた布の素材や柄のデザインに、学生達が取り組み提案してゆきます。インドネシアを中心に素材の調査と開発を行い、注染手拭の新しい展開を行ってゆくプロジェクトです。12月、インドネシア染織研究家の渡辺万知子氏に、21年度4月訪問予定のインドネシア織工場の情報提供を依頼し、そこで織られている布を注染染色実験用に購入依頼をしました。さらに群馬県伊勢崎市株式会社松原新染工とインドネシア布開発に向けて、布の検討を行いました。

a.学生による素材実験(第1回)
期間:2月9日(月)〜2月23日
参加学生:工芸学科3年全員(手拭PGに参加) 指導講師 2名
今回は既に注染を授業で体験している工芸学科染コース3年の学生に限って参加を呼びかけた。この実験は、注染では今までに行なわれていない素材(ウール・絹)の初実験である。
・インドネシア綿9種類の染色実験
・インドネシア絹素材((株)松原新提供素材)3種の染色実験
・ウール素材2種の染色実験
・素材と建染染料の実験
・素材と反応染料の実験
・素材と含金染料の実験
b.学生による素材実験(第2回)
期間:3月25日〜30日
参加学生 工芸学科3年全員(手拭PGに参加) 指導講師 2名
・前半の実験結果を基にさらに改善を図る。
・各素材と染料の多色実験
・実験結果とその記録は来年度4月〜6月までに纏める。
・タオルと綿ニットの実験依頼が業者から来ており、素材提供を受けた。
この実験は第3回として21年度5月連休中に行う予定である。

【注染B反プロジェクト】
注染手拭や浴衣が、僅かな「染ムラと織ムラ」により商品にならずにB反と呼ばれ、ただ在庫となっていることは、この素材の質の良さを考えると、もったいないことです。かつては、肌に良い素材として手拭や浴衣は、最後は乳児のオムツになるまで大事に使われてきました。これは、最後まで役立つ布が、環境に優しいことも意味しています。使う目的が無かったB反を、新たなものに蘇らせ、布素材の良さが環境に生かされるものは何かをテーマに、学生のアイディアと製品作りをしてゆきます。
平成19年3月以降、本学の学生がB反(染色ムラ・織ムラ)の手拭を素材に、工芸学科の学生とファッション学科有志学生により衣類と小物を作り、<日本手拭B反プロジェクト>として活動しています。
注染組合からB反品の提供を受け、製品となったものは、手拭浴衣問屋と手拭販売店が協力して販売ルートまでを考えてゆきます。今後はさらなるアイデアとデザインを本学の全学生から募集して展開したいと考えています。

【スリランカ第2プロジェクト】
NGOと協力するスリランカ北部の女性自立の為のプロジェクトです。近年、女性の自立の為にNGO「裁縫センター」が現地に設置されました。「象のデザイン」に引き続く今回のプロジェクトは、そのセンターの仕事を中心に進めていきます。
「裁縫」を「糸」という素材の観点で捕らえ、「縫う」「刺す(刺繍)」を中心に現地の女性の技術と調達可能な布や糸の素材を調べ、学生のアイディアとデザインを提供していく。その成果を製品化して、スリランカ女性の自立に当てていきます。

注染手拭プロジェクト・素材実験
素材実験・ウール、絹の注染
素材実験・工房風景
素材実験・工房風景
素材実験・工房風景
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